tanakajiroの日記

どうすれば明日はもっと面白くなるのか

孫子とワールドカップ

たまたま守屋淳著「最高の戦略教科書『孫子』」
を読んでいたらW杯に言及した面白い記述があった。

※この本自体は2014年1月に出版されているので、

 W杯が始まる前に書かれている。

 

「事前に負けておくことの重要性」
という見出しから過去のW杯を振り返るくだりがある。
2010年の大会のさい、本戦前の国際試合で日本の代表チームは
セルビア、韓国、イングランドコートジボワールに4連敗を喫した。
しかし、日本代表はきちんと敗戦から学んで、戦略を修正していた。
一方で、2006年の大会では事前試合でマルタやエクアドルに勝利、
強豪ドイツにも引き分けていた。結果、肝心な試合で負けた。

ここで、2014年W杯を顧みるに、
キプロスコスタリカザンビアにすべて勝利したものの、
日本は本戦で無勝、コスタリカは勝ち進んでいるという結果がある。

 

~なぜ、事前に負けておくことが重要かについて~
この本自体は「孫子」の兵法について書かれており、
彼が活躍した時代では負け=死を意味しており
試行錯誤はとりずらく臨機応変に行動することが示されている。
一方で、別の教えである「不敗」という概念を拡張すると、
致命傷にならないのならば試行錯誤で「一時的な負け」を許容するのにも
意味があるという見解を著者は提示している。
負けのもたらす意味として羽生善治棋士の言葉がある。
「新戦型は、実戦で負けて覚えないと身につかない」

 

このくだりを読んで、自分なりにW杯を振り返るに
・事前の3戦では思い切った実験ができたのだろうか。
・3戦とも戦術が同じで、敵に十分に研究されていたのではないか。
という疑問が浮かんだ。

そもそも、負けてしまったなら選手は最後まで会場にいて、
W杯決勝リーグのプレーを優勝国が決まるまで見るべきじゃないの?とすごく思う。
だって、4年後にまた戦う選手も必ずいるわけで、
敵(環境、雰囲気も含めた)を知るにはいい機会でしょ。
選手はまだ死んでないんだもん。

がんばれNIPPON。