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tanakajiroの日記

どうすれば明日はもっと面白くなるのか、割とマジで。

人は全行動の4割が習慣。『習慣Hack』のススメ

1月は頭をチョー柔らかくするために

刺激を求めて勉強会やら飲み会をほぼ毎日徘徊してました。

次のサービスも「習慣をHackする」という切り口で作りたいなぁと思って
勉強していたところ、良書に出会いました。

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その名も『習慣の力』(まんまですね)

この分野って心理学、認知科学、脳科学、社会学とかいろんな切り口があって、
それぞれ深堀りしようとすると結局自分が探していた情報はどこにあるんだっけ?
という感じでよく迷子になってしまいます。
一方で、この本は「習慣」という切り口でまとめ上げてくれてるので、
非常にスムーズに吸収できた感じがします。

ライフハックとしてもマーケティングツールとしても
この「習慣の力」はとても強力なものになりうると確信しました。

 

■習慣のメカニズム

習慣とは以下3段階をループすることであると定義されます。
①きっかけ
②ルーチン
③報酬

ねずみによる検証実験では以下の感じです。
①音がする(きっかけ)
②迷路を進む(ルーチン)
③チョコレートをゲットする(報酬)
繰り返すことにより、ルーチン部分で脳はあまり労力を使わなくなります(=無意識な行動へ)
この繰り返しを続ける動機は「報酬」が得られるからです。
また、繰り返しによりルーチン部分の労力は徐々に軽減され、
脳は「きっかけ」で「報酬」を期待するようになります。

いわいるパブロフの犬ですが、
人の脳も基本原則は同じで、取り巻く環境がちょっと複雑なだけです。
「きっかけ」と「報酬」に人によって多様性があり、
本人が気づいていない場合が多いという点で
深い考察や統計的なマイニングが必要とされます。

<煙草の例>
①食事を終える/大事な会議が終わる(きっかけ)
②喫煙所を探して煙草に火を付ける(ルーチン)
③リラックスできる/誰かと雑談できる(報酬)

<ランニングの例>
NIKEの動画を見る/ランナーを見かける(きっかけ)
②靴ひもを結んで、いつもの道に出て走る(ルーチン)
③ストレス解消、爽快感、達成感(報酬)

 

■習慣化に成功したプロダクト

世の中にないプロダクトは往々にして、

人の習慣の一部には組み込まれていないものです。
つまりは「きっかけ」と「報酬」を考えて売り出す必要があります。
もちろん、その過程は思考錯誤に満ちているのですが、
その過程がとても勉強になります。

<歯磨き粉の例>
①歯磨き粉を使えば歯が綺麗になるというコピーを見る(きっかけ)
②歯を磨く(ルーチン)
③舌がヒリヒリして、口内美化されたという感覚(報酬)
※実際にはヒリヒリした感覚は口内美化とは関係ないものの、
 人は美化されたという感覚(=納得感)を報酬として見出した。

<ファブリーズの例>
①掃除をする(きっかけ)
②掃除が終わったらファブリーズを吹きかける(ルーチン)
③いい香りがして、清潔感が味わえる(報酬)
※最初に発売されたファブリーズは無香料で大ゴケした。
 主婦の行動観察で、掃除の終わりに吹きかける人がいることから、
 掃除というルーチンに組み込むことに成功した。

どちらの例も「欲求」が習慣のループを始動させ、継続させている。
どちらの例もその「欲求」を見出すために多大な労力を払っている点で、
新しい習慣を作りだすのには大きなエネルギーがいることがわかります。

 

■習慣の性質を利用した、ルーチンの置換

前述の通り、新しい習慣を根付かせるのはかなりのエネルギーを使います。
一方で、ルーチンの置き換えはそれに比べれば比較的容易に可能です。
(1)そのルーチンのきっかけと報酬を理解する。
(2)同じような報酬を得られるルーチンを考える。
(3)きっかけがあった場合に新たなルーチンを実行する。
(4)脳が得られる報酬が同じであれば、それは習慣化する。

アルコール依存症の例>
①不安や寂しさを感じる(きっかけ)
②アルコールを飲む(ルーチン)
③安堵感を得る(報酬)
    ↓
①不安や寂しさを感じる(きっかけ)
アルコール依存症の集会へ参加する(ルーチン)
③安堵感を得る(報酬)

<爪をかむ癖の例>
①指に緊張を感じる(きっかけ)
②爪を噛む(ルーチン)
③スッキリする(報酬)
    ↓
①指に緊張を感じる(きっかけ)
②ポケットに手を突っ込む(ルーチン)
③スッキリする(報酬)

 

■人が習慣を変えるタイミングはいつか?

「人生における大きなイベントを経験するとき」

結婚した、家を買った、子供ができた、入学した等の
大きなイベントを経験するときに人は新しい習慣を身につける必要があります。
言い換えるならばこのタイミングは新しい習慣の提案を受け入れやすい状況にあります。ルーチンは継続的なビジネスに直結するので、
世の中のマーケター達はこのタイミングを見逃すまいと躍起になっています。
例えば、今はスーパーマーケットの購入履歴から、
この人が今妊娠している確立は○○%で妊娠○カ月目と予測できたりします。
これがわかれば、継続的な消耗品であるおむつやミルクをこの顧客に
買ってもらうよう仕向ければお店は売上を伸ばすことができます。
(例えば関連するクーポンをユーザーに提供する等)

Tポイントとか、相当ゴリゴリに顧客をマイニングしてるんだろうなぁと思いますし、
リクルートが各ライフイベントのマインドシェアをとることに躍起になっていることも頷けます。

サービス提供サイドでサービスを習慣化させるという視点で
まとめてみると以下の感じになると思います。

(1)大きなライフイベントのタイミングで発生する習慣に注目する。

(2)その習慣の報酬は何なのか考察、観察して確度の高い仮説を得る。

(3)その報酬を満足させるサービス(ルーチン)を作りだす。

(4)きっかけのタイミングに焦点を当てマーケティング注力する。

どんなルーチンも最初に実行するときには脳は労力を使ってしまいます。
なので、シンプルに報酬までたどり着ける導線を用意して、
粘着性を上げる意味で、ルーチンと報酬を徐々に大きくしていくのがいいのではないでしょうか。

私自身、HALF STEPというサービスを出しましたが、ルーチンばかりを押し出して、
「きっかけ」と「報酬」の設計がお粗末であったと反省しています。
計画初期段階からマーケットとの接点が弱い(きっかけに乏しい)と指摘があり、
リリースしてから「何のためにしてるのかわからなくなる」(報酬に乏しい)という
ユーザーフィードバックを頂いてました。
ようやく次の一手を打つために動き出せる気がします。