tanakajiroの日記

どうすれば明日はもっと面白くなるのか

スタートアップが大手を倒す方法

44田寮の赤木さんから、
スタートアップが大手に噛みつく方法をレクチャーしてもらいました。
すごーく、納得したので整理も兼ねて共有します。

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■プロダクト/サービスの型

プロダクトの型には「課題解決型」と「感動体験型」がある。

(1)課題解決型
・ターゲットユーザーの課題を解決する。
・ユーザーにとって「課題」とは何かをきちんと定義する必要がある。
  ※不安---漠然とした不安
   問題---原因は分かっている、かつ、解決策に気づいていない。
   課題---原因は分かっている、かつ、解決策に気づいている。
・ユーザーはそれが自分の課題を解決してくれるものだと、
 わかったときにそれに対して対価を払う。
・そういった意味でマネタイズしやすい型と言える。

(2)感動体験型
・ターゲットユーザーに感動を提供する。
・提供する「感動」は自分が実際に体験したことが望ましい。
・自分の体験を人にも体験してもらいたいというのが基本的な動機
・実際に体験しないと、
 その評価と程度が難しい点でマネタイズは難しいと言える。

 

 

■顧客開発のTips

一般的にスタートアップの顧客開発は「1人」のユーザーを見つけることから始める。そのためには仮説を立てて、ターゲットになりうる人がその仮説に当てはまるか検証/実験することが基本的な顧客開発となる。その上で、ターゲットとなりうる人とどういう接点を持つのかは大事。
(1)アンケート
メリット: 数を集めやすい、統計的なデータをとりやすい。
デメリット:アンケートの設計次第で結果がかわる。
         作り手が想定しない発見は少ない。
(2)インタビュー
メリット: ターゲット候補のプライベートな領域も
         知ることができる。アンケートより情報量多い。
デメリット:時間がかかる。
            回答者は期待に答えようとする心理が働きやすいので
            意図を悟られない質問等の技術が必要。
(3)行動観察(エスノグラフィー)

メリット:  外的なバイアスが働かないので
          ユーザーの自然な行動を観測することができる。
デメリット:行動からユーザー心理やニーズを読み取るのにかなり時間がかかる。
 
 

■狙うべき市場の領域

ヒト・モノ・カネのリソースに限りがあるスタートアップが
狙うべき市場は「リアルニッチ」か「潜在ニッチ」市場。
理由は最初から中堅や大手企業と戦う必要がないから。

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※市場成熟度とはユーザーがその解決策に対してお金を払うという

認識度合いの高さであり、対価を払う習慣の定着度ともいえる。

※市場規模はここでは潜在市場と顕在市場の大きさの和をさしている。

(1)ビック市場(市場成熟度高い×市場規模が大きい)
市場は大きいし、顧客もそれに対する対価を払う習慣ができている。なのでマネタイズも容易であり、すでに大手企業が数多くいる。ここで戦ってもまず勝てない。

(2)成熟ニッチ市場(市場成熟度高い×市場規模が小さい)
顧客は対価を払ってくれるものの、ターゲットなる市場規模があまり大きくない。オタク向けビジネスや富裕層向けビジネスが該当し、マネタイズは比較的容易ではあるものの、中堅の企業が市場にいるので、勝ちやすいとは言えない。


(3)潜在ニッチ市場(市場成熟度低い×市場規模が大きい)
問題や課題を持っている人は多いものの、それに対して対価を払う習慣がない。初期段階のグルーポンなどが当てはまる。イジメや自殺問題もここに当てはまるものの、マネタイズからは少し遠い場所ではある。※スタートアップが狙うべき市場

(4)リアルニッチ市場(市場成熟度低い×市場規模が大きい)
お金を払う習慣もなく、ターゲットもあまり多くない。バックパッカーやスタートアップ、マニアックな楽器やスポーツ関連もここに当てはまる。※スタートアップが狙うべき市場

 

 

■その市場でどうやって事業を拡大するか。

(1)リアルニッチ市場での戦い方。
=>グローバル展開で市場を大きくする。

(2)潜在ニッチ市場での戦い方。
=>ビックに挑戦する。

マネタイズモデルを開発し、顧客の成熟度をあげることができたならば、ビックの領域に入ってくる。そうすると、大手が参入してくる可能性が高くなる。大手はその資本にモノを言わせ、広告をバンバン打ってくると考えられる。そうなると、ブランドも弱いスタートアップが勝つのは難しくなってしまう。この状況を打破する方法は2つ考えられる。


A.先行者メリットを活かし顧客理解を深め、サービスの付加価値をあげる。

B.先行者メリットを活かし顧客理解を深め、マネタイズ方法を増やす。

大手は何をされても、それを真似る戦略(同質化戦略)をとればよいので、止まったら大手に追いつかれてパイの取り合いとなる。むろん、こうなるとブランドで負けているので勝つのは難しい。つまり、大手と戦うには常に先行者である必要があり、同質化から逃げつつ、上記の方法を繰り返すしかない。事業が十分に拡大し、上場という選択肢をとることが出来れば、そのスタートアップは「ビック」の仲間入りをすることができ、大手と対等に戦えるようになれる。ここがスタートアップの1つのゴール。

<補足>

グルーポンは潜在ニッチから一気にビックへ行こうとした。。。でも、ここでリクルートというマンモスがポンパレを仕掛けてきた。結果、「おせち」で失敗し、残念。ポンパレの勝ち。