ポーカーで生存できるか@マニラ No.21
今日はAPT会場にて余語葦織さんの勉強会に参加してきましたので、
教えてもらったことをまとめたいと思います。
※体調不良で結局トナメ参加は断念TT
①レンジで戦うのであって、ハンドで戦うのではない。
まず開口一番に
「田中さん、相手のレンジを入力して勝率計算できるアプリ持ってますか?」
と聞かれ、
「相手のハンドを入力して勝率を計算するものならもってます」
と答えたところ、
「厳しい言い方ですが、それじゃ、全然ダメですね。」
とのこと。
紹介していたこのアプリケーションです。
確かに相手に降ろされた場合、
相手のハンドは分からないわけで、相手のレンジに対する勝率がわからないと降ろされたハンドはもやもやするだけで、どうすべきだったのか反省と改善にはつながらないですもんね。これで、前回降ろされたハンドの勝率を計算してみました。
私がAToでミドルから標準レイズ。
BBのルースがコールしてきました。
彼のレンジは広めで30%くらいだとしましょう。
ここで、フロップが開きます。
Q72のツートーンです。
相手がここで、BBから1/3程度のドンクを打ってきます。
さて、フロップを完全にミスしている私はここでコールがすべきなのでしょうか?
彼が作っている可能性のある役はStaticticsタブで見ることができます。
ここで、ありえそうなものを選択して、[F]ボタンを押して、
Rangeタブに戻って、勝率を計算します・・・[calc]ボタン
結果、私の勝率は36.1%なので、降りてもよかったと思います。
ただ、一方で余語さん曰く、安いのならコールしてもOK。これでJかQが落ちればガットがつくし、相手も動きずらくなるから。とのアドバイスをもらいました。
ドンクに対してオリジナルがコール止めというのは弱弱しいプレイでないですか?
と聞いたところ、
「全然問題ない。安いからコールというのは当たり前で立派な理由。オリジナルレイザーは必ず強いなんてことはないので、あまりそこに固執してはいけない。」
とのこと。
これを使って反省していけば、感覚値が身についていくとのこと。
②ポーカーというゲームについて
(1)ポーカーで一番稼げるのはどういうときか。
ずばり、ポーカーで一番稼げるのは相手が想定するレンジよりも自分のレンジが小さい時に一番稼げる。その理由は簡単で、相手が自分のバリューベッドにコールしてくれるから。
うまい人は、これを少ない投資で実現しようとする。
例えば、ゴミハンドは積極的にshowする。
あとは小さいポットでブラフをたくさん試みて、わざとイメージ毀損させる。
みんなルースプレーヤーに憧れるけど、彼らがその投資に見合ったリターンを得ることはまれで、ルースプレーヤーに見せかけたタイトプレーヤーがよい。
原則的にタイトにしないと利益は出ないと考えるべき。
(2)ポーカーの目的はスタックを増やすことではない。
トーナメントに勝つことも、スタックを増やすことも、本来のポーカーの目的ではなく、結果にすぎない。
「ポーカーとはその場、その場で正しい判断をすることの積み重ねるもの」
結果にとらわれて一喜一憂するのは無意味。
トナメは100人いたら99人は飛んでしまうもの。みんなは自分の命を大事にしすぎてるので、プロがガンガンそこに付け込んでいく余地が生まれる。
(3)テーブル上で試行錯誤なんてできない。
ポーカーはシチュエーションのゲームで、その場その場で違う答えが出てくる。
思考錯誤をテーブル上でしても、その場の解なんて役に立たない。
1000回試行して、勝ち数を500から505にするのがポーカーで、そういった細かいエッジの積み重ねは実践による試行錯誤では追いつかないし、その場の運に左右されてわからない。勉強は卓の外ですべし。
③エフェクティブスタックによってブラフ率の変化させる
ブラフをどのくらいするべきなのかはEffective stack(以降:ES)によってかわってくる。
極端な話、トナメにおいてESが3程度であればどんなブラフも正しいプレイになりうる。
→(確かに感覚的にそうだな)
ただし、ディープになればなるほど、バリューベッドの価値があがってくる。
→(確かにキャッシュでお金が動くときはナッツフラッシュをセットからのフルハウスで叩いたときなんかに激しく動く)
この感覚を頭に入れておかないと、ディープでポットが大きいのに糞ブラフで大金を失ったり、ショートでブラフしなさすぎてジリ貧になったりする。
一般的に、トーナメントの序盤はルースに打って、段々タイトになる人が多いけど、それはまったくもって逆で、キャッシュ的思考のタイトなプレイからトナメ的思考のルースなプレイにシフトしていくべき。だってESは小さくなっていくから。
→(このへんはステップアップポーカーでも同じことを書いてます、でも分かりやすい!)
前述の②(1)で言っていることは、ここで言うところのキャッシュ的思考でプレイしてるのに、相手からみた時にトナメ的思考でプレイしてると思われると、コールがもらえてバリューベッドが本物の価値になるということ。
③ポジションでメリハリをつける。
「ESが50以上で、自分がBTNいます。自分までフォールドでまわってきました。
さて、上位何%でレイズいんしますか?」
「私の場合は47.8%です、25%だと少なすぎます。それを35%にするだけで利益的になります」
(タイトであればあるほどいいんだと思ってるのですが。。。)
「ダメです。小銭も拾いにいかないと、それは結局のところ誰かが拾うのです。そのためにはポジションによってメリハリをつけてしっかり参加することも大切です」
「ただし、レーキが高いと、利益が出なくなるハンドもありますので、そういう場合は若干ですがレンジを狭くします」
「マニラはレーキが高いので、マカオとかラスベガスに比べると利益が出なくなるハンドもあります」
(なるほどなー、ポーカートラッカーで自分の利益の出るポジションとハンドを知っておいた方がよさそうだな。)
④フロップベッドとターンベッドのバランスを考える
私(田中)は9割くらいCBをうつのですが、よくターンでフロートプレーを仕掛けられて降りてしまっている気がします。弱点があるのでしょうか?
という質問で、プレーを混ぜるということを教えてもらいました。
今までの打ち方はフロップCB率は高く、ターンでさらに打ちこむのはバリューの時だけというパターンが確かに多かったです。
これが相手にばれると、ターンチェックが重大なリークになっているとのこと。
これを、バリューでも打たないパターンを作ると、
相手もターンでフロートをしかけることは難しくなるなるでしょうとのこと。
確かに、こうするとわかんなくなりますね。でも実践するのは工夫が必要そう。。。
⑤悪いドンクと良いドンク。ドンクの使い方。
(1)悪いドンク
ずばり、マージナルなハンドでしかドンクしないのは下手くそなドンクです。
ポーカーにおける最もやってはいけないリークに、
ナッツを持っていないことを相手に知らせるというものがあります。
ミドルヒットとか、トップヒット弱キッカーでしかドンクをしないとばれると、相手に自分は弱いですと教えているようなもの。
みんな結構やっちゃってるけど、これはやってはいけません。
そもそもポジションがない時はチェックが多くなるのは当然で、
ポジションがない人はできればチェックでまわって欲しいと思ってるのです。
その原理原則があることをまずは覚えておくべきです。
(2)良いドンク
悪いドンクとは対照的に良いドンクとは強い手を混ぜることをさしますが、
強い手ならなんでもドンクすればいいというわけではありません。
ドンクするには意図と目的が必要です。
a)ケース1
相手のCB率が低すぎる場合、
これはチェックで回すと相手もチェックする可能性が高いような場合です。
それの意味するところは相手にフリーカードを与えてしまうリスクがあるということ。
せっかく自分にハンドがきているのなら、それを事前に守ることが必要。
ただやみくもにドンクを打つのではなく、目的は相手のAハイを降ろすことが大事になるので、打つのならAハイを下せるくらいの60%くらいのドンクを打つべき。
※自分は2オーバーガットとかでもドンクをやる価値はある。
※逆に相手のCB率が十分に高い場合、チェックレイズの方が効果的な場合が多い。
b)ケース2
強力な手を持っていて、チェックレイズすると相手が降りてしまう場合はドンクで打ち続けることで最大バリューをとれることがあります。
例えばフロップでセットができたとして、
相手のCBに対してチェックレイズしたとします。それでトップヒットをおりれるような相手の場合、相手のCBベッド分しか稼ぐことはできないのです。
一方で、ドンクを先打ちした場合、
トップヒットならコールしてくれるでしょう。
ターン、リバーまでドンクし続けてもずるずるとトップヒットでコールしてしまう人は結構多いでしょう。
(確かにTPTKでハーフベッド打たれ続けたらターンまではコールしちゃいますね)
以上、強烈に長くなってしまいましたが今日の勉強会のまとめでした。
余語さん、ありがとうございました。